OPEN

close

子どものコミュニケーション能力を高めるには?楽しく学べる習慣づくりを紹介

子どものコミュニケーション能力_アイキャッチ

コミュニケーション能力は円滑な人間関係を築いたり、自分の考えや気持ちを相手に伝えたり、相手の気持ちを理解したりするために必要不可欠な能力です。

そこで本記事では、子どものコミュニケーション能力を高めるための具体的な方法について解説します。家庭でできるさまざまな取り組みを紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

子どものコミュニケーション能力低下の原因とは

子どものコミュニケーション能力低下の原因

近年、子どものコミュニケーション能力低下が懸念されています。その背景には、以下のような環境の変化が影響していると考えられます。

  • 社会環境の変化
    スマートフォンやゲームの普及により、直接的な対話の機会が減少しています。画面越しのやり取りでは、表情や声のトーンを読み取る力が十分に育ちにくい面があります。
  • 家庭環境の変化
    核家族化や共働き世帯の増加により、子どもが他者と接する機会が減少しています。また、地域社会とのつながりが薄れることで、家庭外でのコミュニケーション経験も少なくなっています。
  • 子どもを取り巻く環境
    学校生活では人間関係が複雑化しており、子どもがコミュニケーションの難しさを感じる場面が増えています。

こうした要因が絡み合い、子どもたちのコミュニケーション能力の発達に影響を与えています。

コミュニケーション能力を高めるには:土台作り編

コミュニケーション能力を高めるには:土台作り編

コミュニケーション能力の育成は、まず子どもの自己肯定感を育む土台作りから始めましょう。自己肯定感とは、ありのままの自分を認め、大切に思う気持ちのことです。この気持ちが育まれると、子どもは自分に自信を持ち、積極的に人と関わろうという意欲が湧いてきます。

  • 子どもの良いところを見つけて褒める
  • 努力したことを認めて自信を持たせる
  • 挑戦する気持ちを応援する
  • 絵本の読み聞かせをする
  • 子どもの話をしっかりと聞く

それぞれのポイントを詳しく紹介します。

子どもの良いところを見つけて褒める

自己肯定感を育むためには、まず子どもの良いところを見つけて褒めることが大切です。日頃からお子さんと接する中で、「○○が上手だね」「○○してくれてありがとう」など、具体的な行動を言葉にして褒めてあげましょう。

例えば、おもちゃを片付けた、お手伝いをしてくれた、挨拶ができたといった些細な行動でも、積極的に褒めることで、子どもは「自分は認められている」「自分は役に立つ存在だ」と感じ、自己肯定感を高めることができます。

努力したことを認めて自信を持たせる

子どもが自信を持ってコミュニケーションを取れるようになるためには、結果だけでなく、努力した過程を認め、褒めてあげることが重要です。

結果だけを褒められると、子どもは「結果が全て」と考え、失敗を恐れるようになります。逆に、努力を褒められると、たとえ結果が伴わなくても、頑張った自分を認めることができ、自己肯定感が高まります。頑張った過程を褒めることで、子どもは努力することの大切さを学び、さらなる挑戦意欲を育むことにもつながるでしょう。

挑戦する気持ちを応援する

子どもが新しいことに挑戦するときは、不安や恐れを感じていることがあります。特に、結果を気にするあまり、挑戦すること自体をためらってしまうこともあるでしょう。そこで、親は「失敗しても大丈夫」というメッセージを伝えることが大切です。挑戦した結果がどうであれ、挑戦したという事実を褒めてあげましょう。

子どもが新しいことに挑戦する気持ちを応援することも大切です。「やってみたい!」という気持ちを尊重し、温かく見守る姿勢を取りましょう。「きっとできるよ」と励ますことで、子どもは勇気を出して一歩踏み出すことができます。たとえ失敗したとしても、そこから学ぶことはたくさんあります。失敗を恐れず、何度でも挑戦する気持ちを育むことが、子どもの成長につながるでしょう。

絵本の読み聞かせをする

絵本の読み聞かせは、語彙力や想像力だけでなく、コミュニケーション能力を育む効果もあります。親子の大切な時間となり、子どもの情緒を安定させる効果も期待できるでしょう。また、物語を通してさまざまな感情や状況を学ぶことで、他者の気持ちを理解する力も育まれます。

さらに効果を高めるには、対話式の読み聞かせがおすすめです。読みながら「この場面、どう思う?」「次はどうなる?」と問いかけると、子どもの思考力や想像力が刺激されます。例えば、「主人公はなぜ悲しそう?」「もし君ならどうする?」といった質問を通じて、登場人物の気持ちを考えたり、自分の考えを表現する練習ができるでしょう。

なお、対話式の読み聞かせをする際は親の役割も重要です。子どもの言葉に耳を傾け、共感しながら会話を広げることで、子どもは安心して自分の気持ちを表現できるようになります。

子どもの話をしっかりと聞く

子どもとのコミュニケーションにおいて、親が子どもの話をしっかりと聞くことは非常に重要です。子どもが何かを伝えようとしたときは、他のことをせずに子どもの目を見て耳を傾けてください。真剣に耳を傾ける姿勢を示すことで、子どもは自分の気持ちを安心して表現できるようになります。

また、話を遮ったり、先回りして答えを導いたりせず、最後までじっくりと聞いてあげましょう。たとえ子どもの話が大人にとってつまらない内容に思えても、子どもにとっては真剣な悩みかもしれません。途中で口を挟まずに最後まで聞き、子どもの気持ちを尊重する姿勢が大切です。

コミュニケーション能力を高めるには:実践編

コミュニケーション能力の向上は、急には実現しません。小さな成功体験を積み重ねていくことが、子どもが自信を持ってコミュニケーションできるようになるための近道です。そのためには、以下のようなポイントが重要です。

  • 親の質問力を高める
  • 親子遊びを通して表現力を養う
  • 少人数での交流の場を作る

それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。

親の質問力を高める

子どものコミュニケーション能力を高めるためには、親の質問力を高めることが重要です。子どもの話にもっと深堀できるような質問や、子どもの気持ちを聞く質問をすることで、子どもは話を聞いてもらえているという安心感を得られます。

「今日の給食で何が一番おいしかった?」「友達とどんな遊びをしたの?」といった具体的な質問をすることで、子どもは話しやすくなり、人とのコミュニケーションが楽しいと感じます。

日常の会話にも質問を取り入れ、「今日はどんな一日になりそう?」「片付けたら何して遊ぶ?」といった声かけを心がけましょう。

親自身がコミュニケーションの良いお手本となることも大切です。親が積極的に周囲と会話する姿を見せることで、子どもは自然とコミュニケーションの大切さを学べます。

親子遊びを通して表現力を養う

親子遊びは、子どもの表現力を育む貴重な機会です。ごっこ遊びでは、さまざまな役になりきることで他者の気持ちを理解し、自分の感情を伝える練習につながります。例えば、お店屋さんごっこでは商品の説明ややり取りを通じて、現実に近いコミュニケーションを楽しめるでしょう。

また、ブロックや粘土遊びのような創造的な活動では、子どもが想像を形にする力を養うことができます。このとき、親が子どもの作品を認めて共感を示すと、自己肯定感が育ち、さらに積極的な表現へとつながるはずです。

このように、さまざまな親子遊びを通して、子どもたちは楽しみながら自然と表現力を身につけていくことができます。遊びの中で生まれる親子のコミュニケーションも、子どもの表現力向上に大きく影響します。

少人数での交流の場を作る

コミュニケーション能力を高めるには、実践の場が必要です。特に、大人数の場では発言するのが難しいお子さんもいるかもしれません。そのような場合は、まずは少人数での交流の場を作ってあげましょう。

例えば、親しい友達を家に招いて遊ばせてみるのはいかがでしょうか。仲の良い友達となら、リラックスして話すことができるはずです。また、習い事なども共通の話題を持つことができ、自然と会話が生まれる良い機会になります。

最初は緊張してうまく話せないこともありますが、繰り返し経験することで徐々に慣れていきます。焦らず、子どものペースに寄り添いながらサポートしましょう。

コミュニケーション能力を高めるには:苦手意識克服編

コミュニケーション能力に苦手意識を持つ子どもにとって、安心できる環境作りが何よりも大切です。

  • 無理強いしない
  • 気持ちを理解する姿勢を示す
  • 成功体験を積み重ねる

それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。

無理強いしない

コミュニケーション能力を高めたいあまり、つい子どもに「挨拶しなさい」「ちゃんと話しなさい」と無理強いしてしまうことはありませんか?特に、恥ずかしがり屋だったり、人見知りだったりするお子さんの場合、無理強いは逆効果になる可能性があります。

子どもにはそれぞれのペースがあります。大人の思う「理想の子ども像」に当てはまらなくても、焦らずに見守ることが大切です。

例えば、子どもに対して、無理に「挨拶しなさい!」と言うのではなく、まずは「挨拶をしたら気持ちよかった」「挨拶されたら嬉しかった」など、挨拶をする意味やメリットを伝えることから始めましょう。お子さんのペースに合わせて、少しずつステップアップしていくことが重要です。

気持ちを理解する姿勢を示す

コミュニケーションが苦手な子どもは、自分の気持ちを伝えることや相手の気持ちを理解することが難しい場合があります。そんなときは、大人が共感し寄り添う姿勢を見せることが大切です。子どもが何を不安に感じているのか、どんなことで困っているのかをじっくり聞き、「そうだったんだね」「その気持ち、わかるよ」と共感の言葉をかけてあげましょう。

頭ごなしに否定したり叱ったりせず、「どうしたの?」「何がつらいの?」と優しく声をかけてみてください。共感してもらうことで、子どもは安心し、自分の気持ちを整理しやすくなります。また、大人への信頼感が生まれることで、相談しやすい環境が整い、自己肯定感やコミュニケーション能力の向上にもつながるでしょう。

成功体験を積み重ねる

コミュニケーションが苦手な子どもは、うまくいかない経験から苦手意識を強めている可能性があります。だからこそ、小さな成功体験を積み重ねることで、自信をつけさせてあげることが大切です。

例えば、お店の人に「ありがとう」と言えた、友達に「一緒に遊ぼう」と声をかけられたなど、どんなに小さなことでも、できたことを褒めてあげましょう。

成功体験を積み重ねることで、お子さんは「自分にもできる」という自信を持ち、コミュニケーションに対する苦手意識を克服していくことができます。成功体験は、子どもが困難に直面したときに、乗り越えるための力にもなるでしょう。

焦らず、お子さんのペースに合わせて、じっくりと見守ることが大切です。

コミュニケーション能力が高い子どもの特徴

コミュニケーション能力が高い子どもの特徴

コミュニケーション能力が高い子どもには、どのような特徴があるのでしょうか。

  • 相手の目を見て話せる
  • 挨拶がきちんとできる
  • 自分の気持ちを言葉で伝えられる
  • 相手の話を聞ける
  • 周囲の状況を理解して適切な行動をとれる

いくつか例を挙げながら見ていきましょう。

相手の目を見て話せる

コミュニケーション能力が高い子どもには、相手の目を見て話すという特徴がよく見られます。目を見て話すことは、相手に真剣さや誠意を伝える大切な非言語コミュニケーションであり、自信の表れでもあります。目を合わせることで相手の表情や反応を読み取れ、会話のキャッチボールがスムーズに進み、誤解も防ぎやすくなるでしょう。

この習慣を身につけるには、親がまず手本を示すことが重要です。子どもと話す際には、優しく目を見ながら話しかけることを意識し、子どもが話しかけてきたときには手を止めて目を合わせて話を聞きましょう。親が自分の話にしっかり向き合ってくれる経験を重ねることで、子どもは安心して気持ちを表現できるようになり、自信を持って相手の目を見て話せるようになります。

挨拶がきちんとできる

コミュニケーション能力が高い子どもは、挨拶がきちんとできます。挨拶は、社会生活を送る上で最も基本的なコミュニケーションであり、良好な人間関係を築くための第一歩です。明るく元気な挨拶は相手に好印象を与え、スムーズなコミュニケーションのきっかけを作る力があります。

子どもが自分から進んで挨拶できるようになるためには、まずは親や周りの大人が挨拶をする姿を子どもに見せることが大切です。親が笑顔で挨拶を交わしている姿を見ることで、挨拶は気持ちの良いものだと感じ、自然と挨拶をするように育っていきます。挨拶をする際には、相手の目を見て、明るい声で挨拶をすることも意識づけましょう。

そして、子どもが挨拶できたときは、積極的に褒めてあげましょう。「元気な挨拶で気持ちが良いね」など、具体的に褒めることで、子どもは挨拶をすることへの喜びを感じ、さらに挨拶をしようという意欲を高めることができます。

自分の気持ちを言葉で伝えられる

コミュニケーション能力が高い子どもは、自分の気持ちを言葉で伝える力を持っています。その力を育むためには、親が子どもの気持ちに寄り添い、適切に声をかけることが重要です。

例えば、子どもが何か言いたそうなときに、「どうしたの?」や「何かあった?」と優しく問いかけてみましょう。「悲しい顔をしているけど、何かあったかな?」と具体的に話しかけることで、子どもは気持ちを伝えやすくなります。

また、「どうしたいと思ってる?」や「気持ちを教えてくれる?」といった声かけを通じて、子どもの意思を尊重し、自分の気持ちを言葉にするきっかけを作りましょう。

相手の話を聞ける

コミュニケーション能力が高い子どもは、相手の話をしっかりと聞けます。相手の話を聞けるようになるには、日頃から話を聞く習慣を身につけさせることが大切です。

子どもが親の話を聞いているときは、「お話を聞いてくれてありがとう」と声かけをしてみましょう。子どもは、話を聞いていると感謝されるという経験を通して、話を聞こうと意識するようになります。親が子どもの話を聞くときにも「お話をしてくれてありがとう」と伝えることで、子どもは話をすること、話を聞くことの大切さを実感していきます。

また、親が子どもの話を真剣に聞いている姿勢を見せることも重要です。親が子どもの目を見て、相槌を打ちながら話を聞いていると、子どもは「自分の話を聞いてもらえている」と感じ、安心して話せるようになります。

周囲の状況を理解して適切な行動をとれる

コミュニケーション能力が高い子どもは、周囲の状況を理解し、適切な行動をとることができます。例えば、静かにしなければならない場所で大きな声を出さない、順番を守って待つ、困っている人がいたら助けるといった行動です。

子どもがこのような行動をとれるようになるためには、日頃から周囲の状況に目を向けさせ、何が適切な行動なのかを考えさせることが大切です。親は子どもに「今はどんな状況かな?」「こんなときはどうしたらいいかな?」と問いかけ、子ども自身に考えさせるように促しましょう。

また、親が模範となる行動を示すことも重要です。例えば、公共の場ではマナーを守り、困っている人がいたら積極的に助ける姿を見せることで、子どもは適切な行動を自然と学ぶことができます。

周囲の状況を理解し適切な行動をとれることは、社会生活を送る上で非常に重要なスキルです。日頃から意識的に働きかけ、子どものコミュニケーション能力を育んでいきましょう。

非認知能力ドリルで親子の対話を始めよう

深めるコミュ力

お子さんのコミュニケーション能力を高めたいなら、「親子の対話でふかめるコミュりょく」ドリルを試してみてください。このドリルは、親子で深いコミュニケーションを取ることで、子どもの非認知能力を育むことを目的としています。

ドリルでは、親子で気持ちや考えを言葉にして伝え合う練習を行い、子どもの考える力や言葉にする力、質問力を育てます。正解を求めるのではなく、自由な表現を大切にするため、子どもは考える楽しさを体験できるでしょう。

1日たった10分、親子で向き合う時間を設けると、子どもは気持ちを伝える力を身につけ、親は子どもの考えや気持ちをを理解し、寄り添うことができるようになります。この小さな積み重ねが、親子の絆を深め、お子さんの成長をしっかり支える土台となるのです。

親子での深いコミュニケーション「ふかコミュりょく」を育むことで、コミュニケーション能力だけでなく、社会で生き抜くために必要な非認知能力も高められます。非認知能力は将来の可能性を広げる重要な力です。

非認知能力ドリル「親子の対話でふかめるコミュりょく」は、オンライン・書店でご購入いただけます。まずは、親子で10分間の対話から始めてみませんか?

ふかコミュりょく